ウジャマー・ジャパンからも緊急支援金が

2010年10月

 2005年のパキスタン北部大地震で被害を受けた子供たちへの奨学金支援や、異文化を積極的に学ぶスタディ・ツアーを中心に活動しているNGO「ウジャマー・ジャパン」からも、緊急支援金集めに多大な協力をいただいております。

 

 このNGOを率いる写真家の船尾修さんは、毎年パキスタン北部にいらしているだけでなく、昨年の9月にはバラングル村にも来られたので、現状を大変よく理解されていらっしゃいます。

 私のブログでの緊急支援の呼びかけに、すぐに応じて動いていただいた船尾さんの、8月30日のブログを遅ればせながら転載させてもらいます。

 

パキスタン大洪水への緊急支援を!

2010.08.30 Monday

 今夏、パキスタンにて大洪水に遭遇し、軍用ヘリにて救出された件では、皆様をお騒がせいたしました。ことの顛末については、前々回のブログをご参照ください。

 さて、今日はまたそれに関連したことを書くことにします。というのは、パキスタンのヒンドークシュ山脈の山間の村に暮らす友人の「わだ晶子」さんから、緊急支援を乞うメールが入ってきたからです。

 詳しいことは、まず彼女の8月27日付のブログをお読みください。

 http://kalashapakistan.jimdo.com/2010/08/27/


 目的が別にあるにせよ日本から自衛隊がパキスタンへ派遣されたように、大洪水の被害状況は当初の予測をはるかに超えて大規模で、専門家の間では、スマトラ島沖地震による津波被害をはるかに超える地球規模の災害であることがわかってきました。

 

 災害から1カ月もたってようやく実態が分かるというのは、何事もスムーズに事が運ぶ日本に暮らしているとにわかに理解しがたいですが、それにはいくつか理由があります。

1)「テロ国家」というマイナス・イメージが強いため、諸外国の人の関心を引きにくい。

2)軍隊が強い力を持つ国であるため、完全な縦社会であり、権限が上層部に集中しすぎているため、彼らの命令なしでは迅速に物事を処理することができない。

3)都市と地方(農村)との経済的・政治的格差が大きく、外国からの支援などが地方の末端部に届きにくい。

4)道路・交通機関・通信などのインフラ整備が遅れているため、正確な情報が伝わりにくい。

 といったようなことから、こうした災害では政府の対応は後手後手に回る傾向があるのです。1ヶ月経って、ようやく全貌が見えてきたのは、こうした理由からです。

 

 わださんの暮らすカラーシャの谷は、自給自足に近い経済であることに加え、イスラム教徒ではない少数民族が多く暮らす場所であるため、外国や政府からの支援は常に最も最後に位置づけられることは想像に難くありません。

 現地に暮らすわださんの報告によれば、流出した土砂が谷の中央にある川を埋め尽くしつつあるということです。この谷は数年前まで電気が来ておりませんでしたが、わださんの運営するNGOが中心になって簡易水力発電所を設置し、それ以降ようやく電気が使える村になりました。

 しかし、その水力発電所が、土砂によって埋もれようとしています。その対策としては、上流部にこれ以上土砂が堆積しないように堤防を設置する必要があるということです。

 日本と違って、村人の暮らしを脅かす災害に対して、パキスタンという政府はあまりにも無関心で無力なのです。信じられないことかもしれませんが、これがこの国の事実なのです。(そのことは、実際僕が5年間、パキスタンという国で大地震の災害復興にかかわった経験から、自信を持って言えることなのです。悲しいことですが)

 

 そこで、僕が代表を務めるNGOウジャマー・ジャパンでは、今回、わだ晶子さんの緊急支援の呼び掛けに賛同し、微力ですが協力させていただくことになりました。つまり、ウジャマー・ジャパンも我々のネットワークで支援のための義捐金を集め、それをわだ晶子さんのNGOへ資金協力するものです。

 

 本来、ウジャマー・ジャパンは「直接支援」を活動の柱としてきました。それは、皆様からの支援をかぎりなく100パーセントに近い金額を現地へ投入したいという思いがあるからです。大手NGO、NPOなどでは、人件費や渡航費、活動費などの「経費」が、全体の予算に占める割合が高く、僕はそのような形での活動に違和感を覚えたのが、そもそもウジャマー・ジャパンを設立するきっかけだったからです。

 

 わだ晶子さんは20年来の友人であり、また昨年、僕は実際にこのカラーシャの村を訪ね、彼女の活動を目のあたりにしてきました。彼女もまた、同じような考えの持ち主であり、信頼もしていますから、今回の支援金は彼女が代表を務めるNGO「ルンブール福祉文化開発組合」に託すのがもっとも生きる道であると信じています。

 1000万人ともいわれる被災者全員に個人が何かをすることなど不可能ですが、まずは「縁」のあるところから、縁でつながっている人々が、なんらかのアクションを起こす、というところから、すべてが始まるような気がしています。

 是非とも、ご協力をお願いする次第です。

 

■支援の方法:NGOウジャマー・ジャパンが代行して支援金を集め、まとめてNGO「ルンブール福祉文化開発組合」へお渡しします。もちろん、直接ルンブール福祉文化開発組合へ送金してくださっても結構です。

 

郵便振替をご利用ください。

郵便振替

口座名:NGOウジャマー・ジャパン

口座番号:00100−1−446572

*必ず「パキスタン洪水支援」とお書き添え下さい。

■不明の点は、NGOウジャマー・ジャパン事務局までお問い合わせください。

 

事務局:宮崎妙子

〒162-0823東京都新宿区神楽坂河岸1‐1

東京ボランティア・市民活動センター メールボックスNO.1

TEL:090-5518-4838

E-mail:ujamaa-japan@excite.co.jp