2013年2月
先日の雪(丸2日間でうちの屋根には50センチほど雪が積もった)で、道路が閉ざされていましたが、3日前にトラックターが出て(ラッセル車ではない)雪をどけてくれたので、ジープやピックアップがかろうじて走れるようになりました。
それで、チトラールに出て来ています。道路が開いたとは言うものの、トラックターの運転手が「油があまりない」などの口実をつけてきちんとした仕事をしなかったので、まだまだ雪は残り、すり切れたタイヤにチェーンもつけない車の乗り心地は、現世とあの世の狭間に浮いているような麻痺した感覚でした。
チトラールに着いてほっとしたのも束の間、チトラールの町はここのところ停電が多く、ホテルの従業員さんが「24時間停電だよ」と言っていたので、大げさな冗談だと思っていましたが、昨日の正午12時から今朝の8時半まで停電でしたので、20時間以上停電だったことになり、従業員さんの言葉もまんざら嘘ではなかったわけです。
私が泊まっているホテルは夕方6時過ぎから夜の11時まで発電機で電気を供給してくれますが、湯沸かし器はつかないので、寝る前の熱い湯での沐浴もできません。テレビもなしです。こんな状況だったら、村の方がよっぽどましです。私たちの電気は、先日の雪で電柱が倒れて2日間停電でしたが、今はちゃんとついてくれていて(昼間は時々止められる)、チトラールの町に比べるとよほど快適と言えます。
さて、NHK BSの番組の放映日が決まりましたので、お知らせいたします。
『神々の谷・女たちの四季』(仮題)
~パキスタン・秘境カラーシャの記録~
2013年3月1日(金) 25:00~25:59 NHK BSプレミアムにて
(※日付としては、3月2日の01:00~01:59ということです)
年度末編成のため、なかなか良い時間が確保できず、深夜の時間帯になってしまったということです。「いくらなんでも深夜1時は遅過ぎですよ」と、口をとがらせたいところですが、決まったものはどうしようもありません。BSが入らない方や録画ができない方で番組のDVDを欲しい方は、私の方までメールでお知らせください。
なお、番組中でトークをしていただくお二方は、以下の通りです。(制作担当者のメールより)
*小島慶子さん … タレント、ラジオパーソナリティ。
二人の子供の母親でもあり、局アナ出身で司会業にも長けていらっしゃるので、
女性アナウンサーの役割と、ゲストタレントとしての役割を兼ねて頂くことに
なりました。(残念ながら、寺島しのぶさんにはなりませんでした…)
感受性が豊かで、とても率直に話しをする方ですので、カラーシャの暮らしや
独自性について、興味を持って下さると思っています。
http://www.castplus.co.jp/profile/kojima.html
*長崎大学教授 松山章子さん … 保健開発、社会開発分野の専門家。
ユニセフの駐在でイスラマバードに滞在していた経験もあり、「女性の見えない国
~パキスタン便り~」という著書も出されています。パキスタンでは、フンザなど、
非イスラムの村(わだ注)へのフィールドワークもなさっていて、体験と目配りの深さは 今回の番組にふさわしいと考えています。
松山先生ご本人も、カラーシャにとても興味を持って下さっていて、
「自分でも色々と下調べや準備をして、臨みたい」と仰っています。
http://www.tm.nagasaki-u.ac.jp/mph/entrancehope/teacher_n_16.html
(わだ注)フンザの多くの住民はイスラム教の分派イスマイリ派で、非イスラムではない。
それでは、良い内容の番組になってることを祈りながら、失礼します。