8月に掲載したブログは長たらしくてわかりづらいので、もう一度簡潔にアップします。
小学校が土石流に襲われて全壊ー2013年8月
近年の異常気象・地球破壊は、日本だけでなく世界規模で起こっているようです。チトラール県のカラーシャ族が住む三つの谷の一つ、ルンブール谷も8月はじめの雨で土石流が発生し、大きな被害を被りました。
一番大きな被害を受けたのは、バラングル村に建っていたカラーシャ小学校です。土石流に襲われて3教室あった建物は影も形もありません。8月1日は7月いっぱいの夏休みが終り、学校が始まったばっかりでしたが、土石流が起こったのは夜だったため、人的な被害がなかったのが不幸中の幸いでした。
カラーシャ小学校の斜め下にあった主神殿、イスラム教徒の小学校、粉引き小屋、ゲストハウスも、全壊ではないものの、大量の土砂を被り被害を受けました。私が暮らす「AKIKOの家」も部分的に土砂を被ったそうです。土石流や土砂くずれは、バラングル村だけでなく、谷のほうぼうで起こったので、橋も壊され、道路は寸断され、粉引き小屋、灌漑用水路は壊れ、あと1ヶ月もすればとうもろこしの収穫だったたくさんの畑は土砂を被り、上流の湧き水から引いていた飲み水用の水道管も破壊されて、人々の日常生活は困難なものになっています。
州都のペシャワールや、首都のイスラマバードから救援物資がチトラール県に入っているようですが、チトラール県の他の地域でも大きな被害を受けた村が多くあるし、イスラム教徒ではない少数派のカラーシャたちに公平にすみやかに援助が来るとは思えません。およそ一ヶ月経った今も、橋や道路の復旧はまったくなされていません。道路が通じないと救援物資を運ぶのにも難儀します。
図書室を仮の教室へ
私の活動の中で、今回の災害に対してどういった支援をできるかを考えましたが、小学校の再建や道路の復旧工事などは、パキスタン政府や地域開発NGOが行う公共事業ですし、私たちにはそこまでの力はありません。一つできることは、「小学校の授業再開」です。政府はカラーシャ小学校を再建すると約束しましたが、建物が完成するには少なくとも1年はかかるだろうと思われます。そこで完成するまで、「AKIKOの家」の図書室を高学年の仮教室として開放することにしました。低学年用には主神殿を使うことになりますが、大量の土砂を被った神殿の修理費を活動費から援助して、一日も早く、カラーシャの子供たちが授業を受けられるようにと願っています。