2013年10月
ルアンナムター県は、北をミャンマーのシャン州、そして中国の雲南省に接していて、古くからラオス北部における交通の要衝地となっていました。
近年は中国からの投資が盛んになっているということですが、同時にランテン族、黒タイ族、アカ族、モン族などの山岳民族の村が散らばるともきいたので、この県の中心地ルアンナムターの町に2泊しました。
ハイウェイと呼ばれる道幅がやたら広いりっぱな道路沿いに、店、ホテル、レストラン、役所などのコンクリートの建物が並ぶ、見たところ新しい町のようで、すぐにはインパクトは感じられません。
フエサイで会った中国を経由してきた日本人バックパッカーから、10月1日から7日までは中国の国慶節(建国記念日)の大型連休で、ルアンナムターやルアンプラバーンには中国人の観光客が大勢押し寄せて、宿が見つからない恐れがあるときき、インターネットで予約していた宿は、1泊12ドルなのにえらくりっぱなホテルでした。でも中国人の泊まり客はおらず肩すかし。
まず、焼酎作りや手漉きの紙作りをしている付近の村に行ってみたいと、旅行エージェントにきいたら、日帰りで50万キップ、ざっと計算して6千円以上する。レンタル自転車で自分で行くと1万キップ、125円で済むのです。
どうしようかと、悩みに悩みまくりました。いや、悩んだのは、先日トルコのカッパドキアで日本人女性旅行者が自転車で観光巡りをしている最中に殺された事件があったし、言葉もわからない、人工股関節のいい歳越いたおばさんがそんな無茶していいのだろうかと、若い頃なら好奇心優先で行け行けだったのが、だんだん歳を重ねるにつれ、ああだこうだ考えて考え過ぎて慎重になっている、以前の自分ではないような自分がいるわけなのです。
こういうときに誰でもいいけど連れがいたら、よし行こう!となるわけですけど、やっぱり1人だとねえ。結局、インターネットのブログでも自転車でうろついた話が載ってるし、ホテルの受け付けのあまり愛想のないお兄さんですら、「自転車で行ったら?」と言うんで、1万キップのレンタル自転車で、宿から6~8キロの、焼酎作りの村まで行ってきました。
村に着き、焼酎のことを聞こうと、人がいた家に入っていくと、辺りが臭い。見るとブーブー豚ちゃんの柵が目の前。女性は大粒のひまわりの種を大量に炒っていましたが、それは豚ちゃんの餌だそうです。でもそばの子供たちも女性たちも食べていましたけど。
私がラオラーオ(ラオスの酒、焼酎)と言うと、彼女はすぐ理解して、ドラム缶の中に洗濯板に突起がついたような板を置き、ドラム缶の淵に空気が逃げないようにする綿入れの輪っかを置いて、蓋するサイズの洗面器を被せて、ドラム缶の下から火を焚いて、蒸発させてここから液を取り出すんだよと説明してくれました。でも、今ポリバケツで仕込んだ材料を発酵させているから今日は製造はしないと言われ、ちょっと残念。
辺りの臭い匂いは豚ちゃんでなくポリバケツから漂っているとわかり、それからは臭さがそんなに感じなくなりました。自分へのおみやげにもちろんそこのお家のラオラーオを買って帰りました。カラーシャのタラとよく似た味と強さです。
緑が広がる田園風景の中のサイクリングは爽快だったと言いたいところですが、この日に限って、カンカン照りで、日陰がないのはつらいかったし、人も通ってなくて、サイクリング自体はわざわざ楽しいというほどではなかったですが、まあ達成感はありましたね。
ルアンナムターの証拠写真です。