まーだ、イスラマバードにおります。

2013年11月

 カイバル・パシュトゥンクワ州で外国人向けの特別警戒警報が出ていたので、何か起こるのかとは思っていた。

  どうもそれが11月1日の米軍の無人機によるハキムラー・メースッドの殺害だったようだ。ハキムラーメースッドは、アフタニスタンとの国境地帯にある部族地域を拠点とし、アル・カイーダやアフガンのタリバンとも深くつながる反政府・反米の武装勢力TTP(タリーキ・タリバン・パキスタン)のリーダーだった。彼の首には500万ドルの賞金がかけられていたそうだ。

 

 リーダーがアメリカの無人機で殺されたとなると、その報復テロが起こるだろうし、そのターゲットはアメリカ人をはじめとした外国人が予想されるので、特別警戒警報が出たのはうなづける。何にしても、まだチトラール県のルンブール谷にある自分の家に帰る途中の私にすれば、良いニュースでないことは確かだ。

 

 メースッドが殺されてから4日経った今なおパキスタンでは報復テロは起きていないが、用心するに越したことはないので、イスラマバードにいてもたまに友人を訪ねるぐらいで、なるべく外に出ないようにしてる。だから、運動不足になるし、おもしろいことにも出くわさないし、今日が何日なのかもわからなくなるくらい頭もぼーとして、ストレスが溜まってるぞ。

 

 そういう中、私が住むバラングル村のヤシールからの電話で、チトラール警察が私が来るなら11月10日以降においでと言っていることがわかった。11月10日のその日にチトラール行きのフライトがあるので、その日にチトラール入りすることを決めた。でもフライトが欠航しなければの話だけどね。

 

 10日のフライトが欠航すると、チトラール便は週に2便なので、次は4 日後の14日になる。(一時は週に1便だけだったから2便になってよかったと感謝すべきか。)空を見上げると、イスラマバードもこのところどんより曇り空が多いので、10日に飛べるかどうかは未知数だ。もうほんとうに野越え山越え障害物競走をやっているようで、なかなかゴールにたどり着けないよ。