しこしこハンディクラフト

この季節はハエとノミの天下となる。

よそのお宅にお邪魔して、低い編み椅子に座ると、スカートの裾からノミたちが「待ってたよ」と這い上がる。椅子に座らなくても立ってるだけでノミはしがみついてくるけどね。空間には無数のハエが飛び交っているから、食事を出されても落ち着いて食べていられない。

 

 唯一、私の部屋はハエはいない。いたら、20数年前にいさこさんからおみやげにもらったハエ叩き(使い過ぎて割れてる上をテープを張ってどうにか使っている)でハエに「ごめん」と謝りながら仕留めるのでいないのだ。ノミはよその家にまったく行かないわけにもいかないし、道でも人との挨拶の接触ででもノミはすばやく新しい餌を目がけて飛びつくので、服に1匹2匹ついていたりはする。でも基本的にはいないことになっている。

 

 そしてこの季節は暑い。よその家は暑くて暗いが、私の部屋は2面に大きな窓があり、外はクルミや桑、杏の木々で緑に囲まれているので埃も少なく、風通しがよく明るい。外に出る必要性を感じない。そういうこともあって、昼間は自分の部屋で、クラフト作りに執心している。

 

 織り紐を中心に手回しミシンで模様をあしらったぺったんこペンケース、ぺったんこ小物入れ、コースター、山羊模様のコースター、など手順やコツを忘れないために数個ずつ作り、新しいデザインを試作したりしている。「NO WAR」バッジも手回しミシンでやってみたりして。ずっとやってなかった手漉きの紙も一度だけではあるが漉いてみた。新しく漉き用の網の枠が必要に思う。

 

 物作りや原稿書きをするには、今のところ世界で一番うちの部屋が適していると思う。しかし、ここのところ「やる気」が出ないのが問題。クラフト縫いはまあいいとして、書く作業が全くダメで、日記を付けるのすら面倒になっている。

 

 先日、短波ラジオにたまたま、うっすら「あれっ、日本語かな?ハングル語かな?」と思うチャンネルをキャッチした。よくよく耳をすますとNHK日本語放送だったが、それが、「本日、伊方原発が再稼働された」というニュースだった。今春の熊本大地震の後、まだ熊本や大分に地震が続いていると聞いているが、大分の目先で中央構造線にある最も危険なあの伊方原発を、しかも地震や事故が起きた場合、佐田岬半島に住む5000人の住民は殆ど逃げ道がないという状況の中で再稼動させるとはもうびっくりこけてしまった。ほんとうに日本人の叡智のなさにがっくり。

 

 あの後、また日本のニュースを聴こうと先日キャッチした周波数に合わせるが、二度と入らない。あの時の、たまたま1分ほどの「伊方原発再稼働」のニュースだけが入ったことに、なにやら日本の将来を暗示しているようで暗い気持ちになる。

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コメント: 1
  • #1

    ミズタ (水曜日, 17 8月 2016 09:31)

    2面の大きな窓から、クルミや桑、杏の木々の緑が見えて、風通しがよく、クラフト作りがすすみそうですね。佐賀をはじめ、各地は酷暑です。