カラーシャ小学校の今

 2013年に土石流で跡形もなくなってしまったルンブール谷のカラーシャ小学校だが、すぐに再建の話があり、予算額も州政府から降りたというニュースが新聞にも載ったというのに、どこでどうなったのか、小学校の敷地を囲む石壁とトイレは昨年造られたが、もう4年が経とうとしているのに校舎の建設はいっこうに始まらない。

 昨年PPAF(パキスタン貧困対策協会)の所長がルンブールを訪れた際、テントと神殿での授業を見て、校舎の建設のためにと1800万ルピー(1670万円)の援助金をチトラールのAKES(アガカーン教育事業部)を通して承認した。

 建設のためにまず一年間の仮校舎が設置されたのだが、よりによって悪名高いエレクション・ビビがペシャワルの元夫に造らせた豪邸がその仮の校舎に決待ったのだ。

 エレクション・ビビ(彼女はこの名を嫌ってレクシャン・ビビと名のっている。ムスリムに改宗しているもよう)は元ムシャラフ大統領や他からのカラーシャへの莫大な援助金を私物化してもうずいぶん前から姿を消している。彼女の豪邸は本来ならば、広いホールに接してトイレ付きの部屋が4部屋あるので、きちんとメンテナンスをしていれば高級ゲストハウスとして使えるほどなのに、本人が不在なので改宗している弟が家具や備品、電気のコンセントや配電盤にいたるまで売り払い、窓ガラスも割れたまま、トイレや台所は掃除もされずネズミの糞とゴミの異臭で顔を背けたくなるほどの汚さだった。

 月に75,000ルピーもの家賃をとるなら、電気を付けて、トイレも窓ガラスも直し、きれいにして受け渡しをせねばならないのに、AKESは全て借りて側でやるという約束をした。家賃も高すぎるのに、何だか裏でエレクションのために取り決めたのではと勘ぐりたくなってしまう。

 仮校舎には絨毯をチトラールの業者に頼んだだけでなく、ラホールから椅子付き机を取り寄せたもんだから、机は部屋に入りきらず、結局机は外に出して、以前のように生徒たちは絨毯に座るようにした。

 電気はソーラーパネルを設置するそうだが、まだされておらず、生徒たちは暗い中で勉強している。生徒のことなど全く考えていない。

 

 地元の人たちに言わせると、PPAFもAKESもこういう無駄をやることをして業者から中間マージンを取るのが金儲けの手段らしい。

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コメント: 1
  • #1

    いんなみ (火曜日, 20 6月 2017 16:35)

    初めまして。自分は旅行者で現在ラホールにいます。この後、ペシャワールかディールからカラーシュ谷を目指したいと考えています。ハンディクラフトを見せて頂きたいのですがカラーシュ谷の何処に向かえば良いのでしょうか。また、カラーシュ谷に向かう際の注意点など有りましたら教えてください。宜しくお願いします。