カラーシャの正月は? How do the Kalasha people celebrate for new year?

 新年の年賀メールを支援者の方や友人達に出したら、「カラーシャはどんな正月ですか」という返信がけっこうきたので、このブログでルンブール谷の新年を紹介しようと思ってからもう1月半ば。

 1月初めまでは12月半ばからの風邪が治り切らない中、「カラスに願掛け」があり、葬式、婚姻関係など村のイベントが続き、「12期活動便り」を作成するのに1週間かかり、途中、しずえさんにお願いしている「会計報告」のメールのやりとりもありました。

 

滅茶苦茶な郵便料金

 12期に支援金をくださった方(3人)と過去において高額の支援金(十万円をめどに)を下さった方には印刷して郵送するのですが、そのためにだけチトラールに行く場合、護衛の警官を連れて行かねばならないので、交通費とランチ代2人分でゆうに1000ルピー以上かかる。今回はちょうどチトラールに用事で行くマシアール先生(中学校教員)がついでに郵便局にも寄ってくれるというんで、いいタイミング。これまで日本までの切手代が50ルピーぐらいだったから、13通分で、多少値上がりしていても全部で1000ルピーで十分足りるだろうと渡しました。

 昼前頃、郵便局にいるマシアール先生から、「日本までだったら切手代は1通150ルピーだそうだ。それでも投函していいのか」と電話があり、こちらはびっくり仰天。公共料金の郵便料がが2、3年で3倍にも値上がりするとは何ということか。ただでさえインターネットの普及で郵便の利用がぐんと減っている状況で、3倍も値上げしたら、手紙を書いて郵便で送るという一つの文化が消滅してしまうではないか。

 せっかく印刷して、各人に夫々短いメッセージも書いていたので、高くても郵送するよう頼んだ。夕方、チトラールから戻ったマシアール先生に立て替えてもらった差額分を払おうとしたら、「300ルピー」という。「えっ、150を13通で1950じゃないの?」と私が首をかしげると、「1通100ルピーにまけてもらったんだよ」と言うのです。

 マシアール先生の話では、どうもチトラールの郵便局員が日本までの切手代を明確に知らなくて150ルピーと言ったようで、マシアール先生が「1通50ルピーって聞いてきたのにそれは高いよ。100ルピーにしてよ」と頼み込むと、局員はペシャワールの北、マラカンド峠近くの大きな街の郵便局まで電話を入れたらしい。向こうの局員も「うーむ、そういうなら、よかろう100ルピーで」と了解したと言うことだ。こんな無茶苦茶なことは日本ではあり得ない話ですよね。しかしよくよく考えたら、実際はもっと安いのかもしれない。

 

 とこういう面白いハプニングがあった後に、郵送しなかった支援者の方々に活動便りをメールで送信する作業がまだ残っていた。私は昨年終わりに、うちの谷の携帯電話の基地局からのシグナルを受けてパソコンにインターネット接続ができるデバイスとやらを購入したので、喜ばしいことに、ルンブール谷の私の部屋からインターネットができるようになったのです。

 しかしまあ、これが遅いのなんのって。昔、チトラールでインターネットやると、ワン・クリックでページが開くのが何分もかかっていたのと同じくらい(あるいはもっと)遅い。容量の重いファイルはなかなか送れないし、容量の重いファイルも開かない。だから、You tube や Facebookもほとんど使えない。    

 それでもBBCなどのニュースの見出しを見たり、Yahooメールを読んだりを自宅でできるようになっただけでも、まあかなりの進歩だと思わねばなりません。

 ただ、Yahooメールもどういうわけかトラブルが多く、数日間開かなかったり、送信や削除ができなかったりで、けっこう頭から湯気が登る作業ではあるのです。何やかんやで、簡単だと思われた、活動便りを支援者にメール送信するのがやっとこさの1月14日に終了したのです。

 

 あ、ルンブール谷の新年のことを書くのにずいぶん寄り道してしまいました。

実はカラーシャの新年の行事は、12月のチョウモス祭や「豆に祈願」や「カラスに願掛け」の行事で良き新年を祈ります。ですから、カレンダーの1月1日は何にもない普通の日なのです。

 

 今回のチョウモス祭と豆に祈願、カラスに願掛けの1シーンを写真で紹介します。