イスラマバードから急いで我が家に戻ったものの、ずーと天気が悪くてどんより曇りか雨、20日過ぎて数日間は雪になったりして、春めいていた2月よりは冬に戻った感があり、行動も鈍りがちになった。それにコロナ感染者が毎日200人ほどいたイスラマバード・ラワルピンディから戻ったばかりでもあるので、自主的にあまりよその家に行かない(行くときはマスク着用)ようにし自宅にこもっていた。
おまけに山からの雪解け水が泥を運んで、発電所の水路とタンクが泥と砂でいっぱいになり、電気もほとんど付かない日々。快適とは決して言えない生活だが、それでも以前に比べればまだ良い方だ。トタン屋根にする数年前までは、3月は雨漏りがひどくて、ベッドを移動させたり、台所では傘をさして調理をしていた。図書室でも、本が濡れて痛んで処分せざるを得ないものもあった。例年3月は天気が悪くて最悪の月、自然の摂理だと受け入れるしかないね。
ベラバシ/Berabas’
3月は雨、みぞれ、雪が多く、一年で一番天気が悪い月である。バラングル村では3月に牛一頭を犠牲にして天気が良くなるよう神に祈願する行事「ベラバシ」が行われる。今年は村の75世帯が800ルピーずつお金を出し合ってムスリム所有の牛を5万ルピーで購入した。牛が連れてこられると、年配の男たちが両手を差し出して「良い天気になりますよう。災害を遠くにやって下さい。安穏でありますように」と祈願する。牛を屠殺するのはいつもカラーシャ・ムスリムのコシカーン。ムスリムもシェアを預かれるためだ。
キラン図書室/Kran Library
2月半ばから政府の学校が始まったので、図書室は突然ガラ空きとなった。そうなれば最後の手段で動画をTVスクリーンで上映すれば、子供たちは確実に集まるのだが、しかし、電気が付かないのでそれもできない。この日はめずらしく電気があったので、You Tubeからダウンロードした子供用の短編動画、「掃除をしよう」「ABCの勉強」「青虫とミミズ」などを見せた。
義姪と赤ん坊が夫の家に戻る/Niece-in-law with baby returned to husband’s house
まだまだチビちゃんと思っていた義兄の末娘クルミ(クルミの収穫時に生まれたのでこう命名した)も昨年10月に4人目の赤ちゃんを出産。カラーシャでは出産や生理は不浄とされている。彼女の夫の家の近くにはジャッジという神体があるので、出産直後は夫の家は立ち入り禁止ということで、実家で暮らしていた。
この度2回目の母子の浄めの儀式、グルパリックを3月のイストムサーラスの祭礼時に受けたので、晴れて夫の家に戻ることができた。半年近く実家にいたので、夫の家に赴く際、ジャマットとクルミの兄が付き添い、夫側の家族から敬意を表して山羊2頭を犠牲にしてふるまわれた。ジャマットたちは、塩煮にされた山羊の肉を一族が食べる分を手土産として持たされたが、私も2片の肉をいただいた。見かけはワイルドだけど、肉そのものの味が美味しい。何せ新鮮だからね。
3月20日過ぎてから雪が/Snowfall after 20th Mar
この冬は雪がほとんど降らず、2月などは何か春の訪れを感じる暖かさだったのが、3月にイスラマバードから戻ってきてから雨が続き、ついには雪になってしまった。でも大雪にはならずに2~3日で止んでくれてホッとした。
コロナがついにルンブール谷に/Covid at last reached in Rumbur valley
昨日、うちの村より下流の道路沿いにあるゲストハウスに7泊していた英国人カップルが(具合が悪くてチトラールの病院で調べてもらったところ)コロナ陽性だとわかった。地元の中学校の校長でもあるゲストハウスの主人も陽性の疑いがあり、隔離されているらしい。詳しいことはまだわからないが、広がらないよう祈るばかり。しかし住民らはまだ他人事、明後日の世界。これこそが恐ろしい。