チェッタイと松明の夜/Ch’etthai & C’an’ja Rat, The day of Ch’etthai & the Bonfire night

  12月17日、前日の16日とこの日がチョウモス祭の言わばピークの期間であろう。

 

 17日のチェッタイの昼間は女は特別な活動はない。前日、妖精の娘のために焼いたクルミパンや、通過儀礼の子供のために犠牲にした山羊の肉や肉汁ポタージュを分けてもらったのを食べるくらいだ。聖なる期間では掃除、洗濯、髪洗いなどがいっさいできないのだ。

 

 男たちは朝、山羊小屋で男の頭数の聖なるパンを焼き、サジゴールに谷の男たちが集まると、各山羊小屋からも男たちが柳の枝と聖なるパンを持ってサジゴールに入る。

 

 サジゴールでは、各家から一人の男が家族の男の頭数分の柳を巌の上に投げ入れ、聖なるパンを人数分ちぎって火に投げ入れる。前日の通過儀礼で伝統のズボンを履いた男児は自分で柳を巌に投げ、聖なるパンを火に投げ入れる。

 

 浄めたら、長老が前に出て新しい良き年を祈願をする。その後、聖なる歌を唱えながらバラングル村に向かう。

 

 バラングル村に着いたら、4年前までは村の中の狭くなった広場2カ所で縦列の輪を作っていたが、3年前から村の下手の新しい広場でこれを行う。輪の中には参加している女たちが入り、輪が大きいほど、ルンブール谷のカラーシャ共同体が繁栄して大きくなったことを意味する。

 

 確かに30年前の写真を見ると、今より輪が数段小さい。しかし共同体の絆のようなものは今より強かったように感じる。女は必ず正装用の被り物を被り、祭り行事を真剣に遂行していて、荘厳な雰囲気だった。(とまた、グチってしまった)

 

 

松明の夜/ C’an’ja Rat

 

 昼間大きい広場で歌い踊っていた者たちもいったん家に戻り、下流の村の男たちは3メートルもの長い松明を作る。バラングル村の男たちは大きな焚火の準備をする。

 

 夜、9時過ぎ下流の村の人たちが松明を持ってバラングル村の近くまで到着すると、大きな焚き火に火がつけられる。手にした松明は焚き火に投げ入れられ、焚き火の炎が空に舞い上がる。この夜は風が強くて、近くの電線に燃え移るのではと心配するほどだった。

 

 ここでも長老たちを先頭に縦列の団結の輪が作られ、女たちを中に入れて3度廻る。これが終わると、歌と踊りが朝まで続けられる。そして、先祖の地からやって来たバリマイン神は明け方にルンブールを去ってボンボレット谷へ向かうという。