トウモロコシを収穫して天日で乾燥させた後には、実をほぐす作業が残っている。以前は棒で叩いて実を落としていたが、近年、麓の町アユーンから脱穀機がやってきて、時間いくらでやるようになった。脱穀機が行けない支谷の畑では今も棒で叩いて実を落としている。
土砂崩れで狭くなった畑で獲れたトウモロコシは、ジャマットとダジャリの分を合わせて小麦粉が20キロ入るビニール袋に10袋ちょっと、脱穀機をかけたらわずか24秒で終わったという。ほぐされた実は再び天日に干された後貯蔵される。
昔は自給自足の生活でトウモロコシは家族の食い扶持を賄えていたが、今はよほど大きい畑を持っている家族以外は賄えず、外から購入するようになった。
それでもカラーシャの村では今は給料取りがぐんと増えて、夫婦共稼ぎや兄弟がポリスといった家庭は月に10万ルピーぐらいの収入がある。彼らにとっては主食の穀物の不足分を買うことはそんなに問題ではないだろうが、ダジャリのような、一年中山羊の放牧や家の力仕事ばかりやっていて現金が滅多に入らない家庭にとっては、小麦やトウモロコシが一気に2倍、3倍になった世の中で暮らしていくのは本当に大変だ。