甥と孫の間に生まれた2人目の赤ん坊、アンジュマンが生後14日目で出産場から家に移ってきた。その翌日、村の老人がチトラールの病院で亡くなった。この1、2年病床についていたとはいえ、危篤という状態ではないと思っていたし、さほど高齢でもなかったので、意外な知らせだった。
親族の女たちは泣き叫び、一時気を失ったりと、カラーシャの葬式ではよくあることであるが、カラーシャたちはそれだけ感情をストレートに表せることなのだろう。自然に近いということだろうか。日本人だと周囲の目が気になり、どうしてもセーブしてしまうが。
葬式の場にあって、私は「これでいいんだ。新しく命が生まれる。歳を取り人生を全うした者は去っていく。病気で辛い思いをするのは終わりにした方が本人も良いと納得しているはずだ」と妙に冷静な気持ちになっていた。
世代交代。そしてここでは誕生する赤ん坊が去っていく者よりも多い、底辺が広いピラミッド型の社会だ。子供たち、若者のエネルギーで活気あふれる社会だ。ただし底辺が広くなり過ぎるのも問題だけどね。