カラーシャの谷
中国男性と結婚
チトラールの総合バスターミナルでルンブール谷グロム村のシャイナラと中国人Junさんにばったり会った。彼らはもうすぐ結婚するという。
ラホールで貿易商として働いていたJunさんとシェイナラはFacebookを通じてやり取りをしていたらしいが、4年前に彼がルンブールに来た際に、親たちがあまり賛成しない中で婚約したという話は私も聞いたことがある。
同じ時期に、中国人男性がパキスタンのクリスチャン女性と結婚して中国に連れて行き、売春をさせているという記事を複数読んだことがあったので、シャイナラの結婚話も何か私は懐疑的だったが、今回実際の二人を見てると恋愛中というオーラが感じられ、売春させて金儲けをしようと企んでいるとは思えないので、「いいんじゃない。結婚したらJunさんの家を訪ねていくからね」とちょっとだけ釘を刺しといた。彼の家は上海から２時間ぐらいのところらしいから、 Lccの春秋航空で佐賀から上海に安く簡単に飛べるから実現できないことはないのだ。
Junさんは大急ぎでカシュガルに行って、ビジネスビザを観光ビザに変えて再入国した後、結婚式を行うらしい。彼女はカレッジで勉強中だが、中国でどういう生活を送るのか今から興味津々だ。
たくさんの葬式
私が留守をしていた間、特に5月半ばの春祭り以降の2ヶ月間で、ルンブール谷では5名も亡くなった。一人の葬式が終わったら、また新しい葬式が始まるということで、畑仕事や放牧にスタートを切る忙しい初夏に、人々は精神的にも物理的にもけっこうな負担であったことだろう。
亡くなった方の配偶者は次の祭りまで通常な生活もできず、その期間に７回の浄めの儀礼を受けながら喪に服さねばならない。
私は、ペシャワールでの内臓の手術がうまくいかずに亡くなったバラングル村のユセフの母さんの遺族のもと、そしてルンブール谷の宗教指導者の一人で、糖尿と血液癌で亡くなったシャーザダさんの家族が住むチャットグルに、ビスケットを持ってお悔やみに行った。
キラン図書室で貝遊び
昔から私はダイヤモンドなどのいわゆるお店で売ってる宝石には興味がなく、川辺に転がっている石や浜辺の貝などに目を惹かれた。形や模様が一つ一つ違い、じっと見てると神から与えられた美しく神秘的なデザインに感動したものだ。
そうやってスリランカやタイや日本で集めた貝の一部が、佐賀に置いてある自分の荷物から見つかり、いずれ処分しなければならないなら、その前に図書室に来る子供たちに見せてやろうと思いつき、今回スーツケースの中に入れて持ってきたのだ。
ここは海が遠いから、貝を全く知らない。頭飾りの子安貝はカラーシャの頭の中では装飾品と考えられてると思う。
まず、貝を広げて子供たちに見せ、翌日に奄美大島の海岸での貝拾いの動画を見せた。次に好きな貝を選ばせて、スケッチをしてもらった。
7月は夏休みだが、8月になると学校が始まる。夏休みの宿題もけっこう出ていて、まだ終わり切れてない生徒たちも多いので、まず、宿題を１時間ほどしてもらってから、それ以外の活動をするようにしている。
リピーターのひなこさんにくっ付いて来たガイドの姪御さんを呼んで、ウルドゥー語のおさらいを少し。低学年生たちは「私の名前は○○です」という簡単なウルドゥー語でも、恥ずかしさもあってほとんど言えない。全く毎日何を勉強してるんだよとガックリくる。
麦の脱穀
ジャマットの畑の小麦の収穫は大したことはないが、以前は牛を弾かせて脱穀してたのが近年は機械になった。
ただし、ジャマットは隣村のおっさんが買い入れた中古のオンボロ機械でやったので、ちゃんとした機械だったら１時間で終わるところを、ボロ機械はすぐ故障し、あちこち直しながら2日がかりで脱穀した。時間も油代も余計にかかり、おんボロ機械の所有者を稼がせるためにやったようなものだとジャマットは笑われていた。
曾孫も成長中
日本の建国記念日、2月11日に生まれたアンジュマンも5ヶ月を過ぎ、ぷくぷく元気に育っていた。父親はジャマットの甥だから、カラーシャでは私の孫にも当たるが、母親のアミールグルは、私のカラーシャ兄弟ヌールシャヒディンの兄さんの孫だから、アンジュマンは曾孫になる。
最近は自分の年相応の佇まいを自覚するようになったので、「曾孫がいてもいいわな」と開き直っている。
チャイニーズ・ヌードル
スカルドゥでトレッキングした後に訪ねてきたひなこさんをランチに呼んで、チャイニーズ・ヌードルを茹でて、日本製のぶっかけうどんの汁で食べた。
以前はチトラールの町でも見かけたチャイニーズ・ヌードル、ここのところチトラールでは見ないので、イスラマバードで1箱買って来てたのだが、シソ、ネギ、茹でたオクラ、削節などの薬味と一緒に、こうして食べると美味しい。
