A Happy New Year, year, year, year, いやあ、いやあ、いやあ!
とんだ新年でした。
昨年12月16日から電気が消え、まあ、停電になることはよくあることなので、2、3日すればつくだろうと思っていたが、どうも発電所のシャフトという部品が壊れて10日はかかるという話が飛び交った。
こんがらがるかもしれないが、実は日本政府の草の根援助により私たちのNGOで苦労して導入したバラングル村上流の水力発電所は、20年経った昨年初夏からリハビリ工事中である(これは別の機関からの援助)。それ故、数年前にできた下流の発電所の電気を電気代を払って分けてもらっているのである。停電になったのはその下流の発電所からの電気だ。
12月16日というのは、男性の浄めの儀式のイストンガス、ルンブール谷1番の力ある聖所サジゴールでのプシャオマラット、子供たちの通過儀礼ゴシニックなど重要行事が行われ、翌日もチャッタイアードア、チャンジャラットなど、チョウモスのピークに当たる時期なのだ。だから非日常の祭りごとの中、歌を歌い踊りを踊り、ワインや焼酎を飲んだりして、高揚な気分で盛り上がっていたので、不便を感じる暇もそれほどなかった。
12月19日、キツネ脅し、ラワクビイーク、20日はチョウモスで犠牲にして少し部分的に取っておいた山羊の肉で、男たちは山羊小屋で、女たちは家で肉パンを焼き食べる行事。24日は豆行事のダウタトゥー。27日のカラスに願掛け、カガーヤックでチョウモスとその後の行事は全て終わった。
停電から10日以上経ったけど、電気はつかなかった。
停電中の夜間、サイフラーさん一家と食堂を営むプリスタムシャーの家はガソリンをシェアし合って発電機をつけた。サイフラーさんの息子さんたちはカレッジの講師、小学校の教員、中学校の教員と給料取りで経済的余裕がある。数時間しかもたない3個90ルピーの中国製の電池を入れた懐中電灯で薄暗く部屋を照らすよりも、発電機をつけて部屋の灯だけでなく携帯電話の充電もできるということで、毎晩発電機をつけていた。私も充電のためにサイフラーさん宅に通っていた。
他の村人も携帯電話の無料の充電のためにサイフラー家に出入りしていた。7軒ある村の店の一軒も毎晩11時ごろまで発電機で電気を起こして、こちらは1回50ルピーの有料で携帯電話の充電をしていた。
冬至前後の長い夜、午後5時半ぐらいから暗くなる。23日から再開している階下の図書室を午後1時50分に開けてストーブに火を焚いて、4時前まで子供たちの勉強や読書の様子を見てから部屋に戻って、急いで夕食の支度をして4時半から5時ぐらいに早めの夕食を取る。暗くなってから、暗がりでみみっちい気持ちで夕食を食べたくないもんね。その後、サイフラーさん宅に充電に出かけるというルーティンができつつあった。
初めはは携帯電話だけでなくパソコンのマックブックも充電するために持っていった。翌日フルに充電したはずのマックブックをオンにするが、画面が真っ暗で中央に充電がわずか1%の図形が表示される。おかしい。こんなのは過去には見たことがない。マックをオフにして再びオンにしても同じ状態だ。このマックブック・プロも買って丸9年になるから、おかしくなるのも無理もないかもと諦めて、戸棚の中にお休みにした。
携帯電話の夜間だけの充電もすぐに減ってしまうので、以前のようにYou Tubeでニュース解説やドキュメンタリー、映画、音楽ライブなどは見ないようにした。そしたら、年が明けたら携帯電話の電波も来なくなってしまった。雪の影響で基地塔のドラブルらしい。携帯電話が使えないなら充電する必要もないわけだ。
ということで、パソコンも携帯電話もない昔の生活に戻ったけど、慣れればそれはそれでそんなに困ることもないと実感した。そして長い長ーい夜と、朝8時40分に陽が射し、昼12時過ぎに向かいの山の向こうにおさらばする短い活動時間のパターンの1日としての新年が明けた。
まずいことに1月2日から6日までは雪になり、屋根の雪かきで捨てた雪で道や路地はこんもり、ツルツルとなり、転倒したら人口股関節がはずれる可能性があると医者から脅かされている身としては、なるだけリスクは犯したくないので、サイフラーさん宅だけでなく他所の家にも行かなくなった。冬籠りですね。
それがまたよりに寄って、一番夜が長くて、寒い時期だからねえ。小さい懐中電灯の光の中で、貴重な薪をストーブで炊いても何をすることもなし。それで早めに布団に入ることになる。夜8時ごろから湯たんぽを入れた布団に入り、以前読んですっかり内容を忘れている本、米ソ冷戦時代のスパイ物の本(時代遅れだから読んでなかった)などを懐中電灯に照らして読書に専念するようになった。朝早く目を覚ましても、早く起きても寒いばかりだから8時近くまでウダウダしてしまうので、なんと、12時間も布団の中にいることになるのだ。この生活を何日も続けている。
1月10日からやっと電気が来て、携帯電話も朝10時ごろから午後まで数時間通じるようになったが、夜、早い時間に布団に入る習慣はしばらく治らないなあ。布団の中が一番!
●チョウモスの写真をアップしときます。
●今年の写真です